ChatGPTは誤字が多い?3つの理由とシンプルな対策

  • 更新日:2025/06/09
  • ブログ
ChatGPTの誤字が多いのは気にならない?

*本ページはプロモーションが含まれています

ChatGPTを使って文章を書いていると、「なんだか日本語がおかしいな」と感じた経験はありませんか?

今、誤字や不自然な日本語に違和感を覚えているあなたは、本当にすごいです。「なんとなく便利だな」で終わらず、あなたはとても細かい文章の質にまで目を向けているからです。

そしたら次にすべきは、その誤字をどう減らすか、どのように使いやすい形に整えるかという「仕組みづくり」を選びませんか?

今回はなぜChatGPTに誤字が多いのか、どのような誤字が多いのか、そしてどう仕組みを作るべきなのかを紹介します。筆者が実際に行っている仕組みも伝えるため、ぜひご覧ください。

筆者
筆者

筆者はもう面倒なので、AI校正ツールのShodoで表記揺れやミスを減らしています(現在は法人利用)。コピペして貼り付けるだけ。月額1,000円〜ですぐ利用できるShodoを試してみてください。

【PR】タイポや表記ゆれのチェックに!AI校正サービス【Shodo】

ChatGPTに誤字が多い3つの理由

ChatGPTに誤字が多いのには、きちんとした理由があります。まず、簡単に以下で説明しておきます。

日本語への変換に限界があるから

ChatGPTは英語をベースにした文法を日本語に変換する際、不自然な表現に仕上げる仕組みです。日本語のみで学習していないからですね。

なかでも、英語の「it」や「that」という代名詞(だいめいし:人や物の名前の代わりに使う言葉)は本当に厄介です。

代名詞を翻訳すると、日本語では「それ」「あれ」などの「こそあど言葉」になります。英文法では当たり前の使い方が、日本語にするとおかしくなるわけです。

ちょっとここで、以下の例を見てください。

  • 英語原文:It is important.
  • 直訳:それは重要です

この文末の「重要です」って見覚えがありませんか?

日本語では、「〜が大切(大事)です」と置き換えできますが、ChatGPTは「重要」以外の意味合いがあっても、全部「重要」にします。

気になった方は、ぜひChatGPTの出力文から「重要」を検索してください。何が「本当に重要なのか」分からないほど「重要」という言葉が使われています。

表記揺れに対応していないから

ChatGPTは、トンマナ(トーン&マナー:文章の書き方のルール)に対応した言葉を使えないのも問題です。どれだけファインチューニング(AI の学習を調整する手法)などで対応しても、表記揺れの誤字を消すには限界があります。

ここでわかりやすいのは、漢字の「ひらく・閉じる」(ひらがなで書くか漢字で書くかのルール)です。

  • 容易く
  • 沢山
  • 何故

上記を「ひらく」と決めていても、ChatGPTは漢字でそのまま書きます。厳密には誤字とは言えないレベルですが、ルールに従うならNGなはずです。

ブラウザが二重翻訳しているから

ChatGPTを使っている際、英語から日本語に翻訳するブラウザの機能が動いていませんか?

日本語を日本語に翻訳するという変な状況を引き起こし、訳のわからない誤字を表示します。これにより、ChatGPTは正しい言葉で書いていても、なぜかおかしくなるので注意してください。

詳細は、こちらのNoteを書いている方が伝えている『chat GPTの表示がおかしい。途中で止まる。自分のchatが勝手に書き換わる…時の対処法【10秒解決!】』をご覧ください。

筆者は翻訳を使わないので気づきませんでした。よくぞ解決方法を見つけてくれました…。もう、素晴らしいの一言です。

脱線しましたが、まだイメージができない方に向けてChatGPTが本当に起こした誤字の具体例を次で触れておきます。

ChatGPTで多く見かける3つの誤字

ChatGPTで多く見かける誤字は、筆者がGPT3のころからずっと累積しており、すでに300を超えています。以下は、実際に筆者が集めているミスを紹介します。

英語の翻訳にミスる

ChatGPTの誤字で本当に多かったのは、以下の翻訳ミスです。GPT-3の頃から蓄積している一部ですが、抜粋してみました。

  • ポモドーロテクニック
  • ダイナミズム
  • ヒューマンタッチ(人間らしさ)
  • アカデミックな論文(学術)
  • モネタイズ
  • エディトリアル(編集)
  • 灰色地帯(グレーゾーン)
  • トマトテクニック

わかりにくいものだけ意味を掲載しましたが、単純に英語を日本語にできていないだけです。GPT4以降ならほぼ起きません。

ちなみに、本当の意味は以下のとおりです。個人的には、ポモドーロテクニックのミスであるトマトテクニックで本当に大笑いしました。

英語をそのまま出力する

次は、ChatGPTの誤字のなかでもすぐ見つかる誤字です。代表例は「engagement率」などの専門用語です。

2025年以降、モデルの改善で減ってきました。GPT-4までは頻発しましたが、そこからは見られなくなってきています。

重複表現を使う

ChatGPTで頻発する重複表現の誤字は、以下があります。

  • 専門知識を持ったプロ
  • はっきり断言
  • 思いがけないハプニング
  • 余分な贅肉
  • 遺産を残す

プロ・断言・ハプニング・贅肉・遺産だけでいずれも通じます。

いずれも、日本語のページで間違いを学習した結果だと判断できます。筆者も含めて、よく間違えている誤字はそのまま「日本人が使う傾向にある言葉」として採用率が高くなります。

誤字が多いのは『人間も同じ』

ここまでよくある理由を説明しましたが、もっと分かりやすくいえば、学習した傾向から人間と同じミスをするのが根本的な原因です

ChatGPTが日本語の膨大な情報源から学習しても、「すべて正しい言葉」で書けるわけではありません。すごく単純に仕組みを説明すると、

  1. 言葉を知る(ネット記事等)
  2. 誤字を正しいと覚える
  3. 回答で使う頻度が高まる

という流れです。日本人でもよく間違える言葉はそのまま伝わって、現在のChatGPTが生まれたのです。なお、このChatGPTで文章を書く仕組みはBrain Writeという別サイトで紹介しました。

筆者が誤字とどう向き合っているか

ここからは、ChatGPTの誤字の多さにどのように筆者が対応したのかを書いておきます。上から順に実現しやすい方法にしておきました。

上から順に読み直す

当たり前ですが、ChatGPTの出力をそのまま使っていませんよね?

Webライター(ネット記事を書く人)が手書きした文章においてもチェックするのは「誤字やミスがあるから」のはずです。であれば、AI に対しては対応しないのはおかしい話です。

筆者は、上から順に読み直して書き直しています。後述するAI校正ツールを使って、二重チェックを施してミスを減らしたいからです。

ChatGPTの精度は高いものの、100%は確率論(偶然が作用する仕組み)が内部で影響している以上、あり得ません。読み直して、「これなら読める・相手に伝わる」という文に仕上げてください。

プロンプトで指定する

ChatGPTに対し、表記揺れ(同じ意味でも書き方が違う言葉)を指定してください。たったこれだけでも、少しはマシになります。

ただし、確率が高まるというだけで「確実な変換はできない」点は、生成AI(文章を自動で作るAI)そのものが持つ仕組みです。焼け石に水ですが、少ないのであれば十分です。

どのようにAIが言葉を選ぶのか

  1. ユーザーの文章を読み取る。
  2. 話の流れや内容をざっくり理解する(ここは複雑なので割愛)
  3. 大量の文章データから、よくあるパターンを参考にする
  4. 確率の高い言葉を選ぶ(「この文であれば次はこれが自然」と確率で判断)

単純に、「あいうえお」と書いてくださいと指示すると、

  • あ(もっとも確率が高い)
  • い(次は「い」の確率が高い)
  • う(次は…)

を繰り返しているわけです。ちょっとでもミスが起きたら、「あいうえ『』」とかになります。

表記揺れを一括で置換する

次に、ChatGPTが起こした表記揺れ程度の誤字であれば、一括置換(まとめて書き換える機能)で対応しています

少ないのであれば、1つずつ置換していくだけで構いません。API(プログラムでChatGPTを使う方法)ベースのChatGPTであれば、専用のロジック(仕組み)を組んで、A→Bのように書き換えた結果だけを出力します。

これだけで、チェックする工数(作業時間)は随分と減ります。なお、Googleドキュメントであれば、Google Apps Script(Googleのプログラミング機能)で対応できます。

以下は、筆者が使っている置換ツール(Google Spread Sheet)です。参考までに。

Shodoを使って確認する

2022年から筆者はChatGPTに対して、AI校正ツールのShodoを使うようになりました。一括置換は何度も面倒だし、ほかの表記もチェックしたいのであればおすすめです

  • 見るべきポイントが分かる
  • 加筆のときのミスを減らせる

たった2つだけでも価値があります。ChatGPTの誤字が、オリジナルの誤字脱字AI、そしてGPTベースの最終チェックを受けているというのはなかなか皮肉ですが、精度は高いです。

また、オリジナルの表記揺れルールも設定できるため、2022年から使い続けています。ここで文章を書いているタイミングなら、契約してからすでに1,108日間です。長いですね。

Shodoに興味がある方は、下記ページでチェックしてください。

【PR】タイポや表記ゆれのチェックに!AI校正サービス【Shodo】

誤字脱字の校正・修正プロンプト

ChatGPTによる文章の誤字脱字を校正するプロンプトを、筆者が作ってみました。

入力:
ここにテキスト

[1] -> あなたは優れた文章の校正者です。条件:を守って、編集した文章のみを出力してください。

条件:
- 誤字脱字を修正してください。
- タイプミスを修正してください。
- 数字はすべて半角で統一してください。
- 慣用句の誤りを修正してください。
- ことわざの誤りを修正してください。
- 主語は明確にしてください。
- 主語と述語の関係の誤りを修正してください。
- 句読点の誤りを修正してください。
- 表記ゆれを修正してください。
- 丁寧でフォーマルな文章に変更してください。

[2] -> [1]の文章を対象に、下記に指定した表記ゆれをすべて修正して出力してください。

表記ゆれ:
- 下さい -> ください
- お願い -> おねがい
- 例えば -> たとえば
- 猫 -> ネコ
- イヌ -> 犬

[3] -> [2]で作った文章全体の文調に一貫性を持たせて出力してください。

-> run [1]→[2]→[3]


なお、 当時はGPT-3.5でしたが、理解力の高いモデルだとさらに精度を高められます。

なお、必ずしもすべての条件やルールを守って実施されるものではなく、理解できないものに対しては実施されません。そのため、最終的な確認は手を抜かないように。

まとめ

ChatGPTに誤字が多い理由と対処法のまとめは、以下のとおりです。

  • ChatGPTに誤字が多い理由は「英語から日本語への変換の限界」「表記揺れ未対応」「ブラウザの二重翻訳」
  • よく見かける誤字は「英語翻訳ミス」「英語そのまま出力」「重複表現」の3パターン
  • 誤字が多いのは人間と同じで、間違った情報も学習してしまうため
  • 対処法は「読み直し」「プロンプト指定」「一括置換」「AI校正ツール使用」の順で試す
  • 現時点では完全な解消法はないため、人間による書き換えがもっとも有効

改善できない部分に時間を費やしても無駄が増えますし、プロンプトを作るのも面倒なら仕組みにしてください。一括置換や校正ツールで、編集時間を短くする効率化が大切です。

よくある質問(FAQ)

ChatGPTでAIが間違える理由は何ですか?

ChatGPTが間違える理由は、確率にもとづいて言葉を選んでいるからです。AIは過去に学習したデータから「次に来る可能性が高い言葉」を選んで文章を作ります。学習データに間違いを含むと、それも「正しい」として覚えて出力します。

チャットGPTの間違い確率は?

ChatGPTが間違える確率は、常に100%あると考えてください。簡単な事実確認であっても、確率論であるAIを通した時点で間違いを引き起こす可能性をゼロにできません。文章作成においても、日本語の細かいニュアンス(微妙な意味の違い)や表記ルールでは間違いが起こりやすいのが現状です。

ChatGPTで間違えないようにするには?

ChatGPTで間違いを減らすには、物理的に人間が書き換える方法を選んでください。以下のプロンプトによる対処法を選んだところで、結果として人為的なチェックは避けられません。

  1. 具体的で詳しい指示、例えば「あいまいな質問を避ける」などを指定する
  2. プロンプト(指示文)で「正確に」「事実にもとづいて」などを指定する
  3. 複雑な内容を小分けにする

どれだけ苦心して、メガプロンプトを作っても完全に間違いをなくすのは困難です。アマチュアやプロ、業界の第一人者でもAIの根本的な仕組みで『間違いを起こす工程』ある以上、この問題を避けて通れません。